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小説 捉えどころが無い話

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本日紹介する小説は「ひとり日和」です。「青山七恵」さんの作品で、「河出書房新社」から出版されています。芥川賞受賞作です。

私は芥川賞受賞作は「共喰い」「火花」に続いて三作目です。「ひとり日和」は読みやすい方だと思います。

しかしこの小説、何とも捉えどころが無くて、どう表現すれば良いのか良く分かりません。恋愛小説と言えば良いのか、家族物語と言えば良いのか。

描き方は一貫して主人公の目線で進みます。主人公の私(三田知寿)は、母親が仕事で中国に行くことをきっかけに親戚のおばあさん(萩野吟子)の家へと預けられます。

この吟子さんについては何度も弱弱しい描写があります。お話が進む度にどうにかなってしまうのではないかとハラハラしました。

主人公は近所の駅の売店でアルバイトを始めます。その内に恋をし始めて……やはり恋愛小説でしょうか。

何だか主人公の境遇に自分を重ねてしまって、一緒に心もとない経験をしてしまいました。私にも吟子さんのような人が居たら、どのような言葉をかけられるのだろうかと思いを馳せてしまいます。

この小説の中で、小説らしい表現がいくつか出てきました。その点が読んでいて何となく参考になりました。

とりあえずは青山さんの作品はこれだけにしておこうと思いますが、図書館には何冊も蔵書がありました。人気の作家さんなのですね。余裕が出来たら、今回上手く読み解けなかった心情も理解できるといいなぁと思いました。

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