今回は、海野が読んだ「時間ってなに?流れるのは時?それともわたしたち?」を紹介します。
目次
どんな本か?
「時間ってなに?流れるのは時?それともわたしたち?」は「クリストフ・ブトン」さんが「2017年」に書いた「児童書」です。「10代の哲学さんぽ」というシリーズの最後を飾るテーマで、児童向けの哲学書になっています。
なぜこの本を選んだのか?
元々、海野は「時間」というものについて、常々不思議さを感じていました。最初は大人向けの哲学書を手に取ろうとしましたが、どれも分厚い上に難しそうです。とりあえずわかりやすそうな、児童向けの本書から読むことにしました。
心に響いた箇所は?
きみだけの過去と現在があるように、きみにはきみの未来がある。そこには、おどろきやさまざまな計画、思いもよらないできごと、そして望みがたっぷりつまっている。
「時間ってなに?流れるのは時?それともわたしたち?」
クリストフ・ブトン
P.73 LL.5-7
本書を読み進めて行く間に「私だけの過去と現在」というイメージを掴むことができました。しかし「私の未来」という表現はいまいち良く分からないままです。本書の中で「未来は分からないもの」と描かれていたからです。しかしそれでも引用箇所は、未来に希望が持てるメッセージでした。
この本について何を感じたか
「過去とは何か」という説明パートの中で、自分の中の記憶をたどるパートがありました。写真や音楽で記憶が呼び起こされることも経験的にありますが、それらは補助的な道具でしかないと気が付きました。本当に自分の記憶の中だけが、私の過去なのだと気づいたとき、涙が出てきました。なるほど確かに、人間は語るはずの者なのです。
最後に一言
「時間ってなに?流れるのは時?それともわたしたち?」は、時間の哲学の入り口として良い一冊でした。数時間で読み切れましたが、得るものが多かったように感じます。