久しぶりの更新となりました。本日紹介する小説は「ゴールデンスランバー」です。
伊坂幸太郎さんの書下ろし作品で、2010年には映画化されました。
映画化された当時から興味を持っていましたが、結局先日図書館で発見して借りるまでほったらかしにしてしまいました。
本書は5部構成となっております。500ページを超える大作で、私でも読み進めることが大変でした。それでも内容が面白いので、読めてしまうのですね。
一気読み推奨です。各部で伏線が大量にちりばめられています。一気読みしないとつながるものがつながらないかもしれません。
あらすじとしては、基本的には普通の宅配ドライバーとして生きてきた主人公の青柳雅春が、首相暗殺の濡れ衣を着せられて警察から逃げる話となっています。
著者も謝辞の中で書いていますが、アメリカのケネディ暗殺事件をちょっと近未来的な日本の仙台に舞台に変えて、リアリティを出しつつも多量の嘘を混ぜて作られた作品です。
お話の進め方としては基本的に主人公の「青柳雅春」とヒロインの「樋口晴子」の視点を行ったり来たりしながら進んで行きます。
大学時代のサークル仲間としてのつながりしかない両者が徐々につながっていき、協力する形を取る展開が面白いです。
最後の最後には涙が出そうになってしまいました。何故かを書こうとするとネタバレになってしまうので書けませんが、感動的です。
主に警察と最初は一人きりで戦っていた青柳雅春ですが、徐々に大学時代の仲間やマスコミに疑問を感じる人たちに助けられながら進んで行くストーリーに最後は感動間違いなしです。
お話の終わりは決してハッピーエンドとは言い切れませんが、この大作を是非読んでみて欲しいと思います。