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読書 保健と健康の心理学

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1.著者情報と本の概要

今回は、心理学系の本の紹介です。

この本は、多くの著者によって共同で書かれています。

編著は「大竹恵子」さんです。

編著者は、関西学院大学文学部の教授さんです。

全員で23名の方々によって書かれています。

本の中身は、題名の通りで健康心理学に関する本となっています。

今回の記事でも、健康につながるような部分を抜粋できればと思います。

2-1.心的外傷体験からの回復

まず取り上げる主題は、心的外傷体験です。

誰か身近な人を亡くしたり、事故を目撃したりするなどの心的外傷体験は、誰しも経験するものです。

その経験から学び、成長することさえも出来ます

しかしその衝撃を受け止めきれず、長期間に渡って影響が残ることがあります。

その状態からの回復方法をこれから引用と共に記述して行きます。

獲得的レジリエンス要因には、問題を積極的に解決しようとする意志を持ち解決方法を学ぼうとする志向性を意味する「問題解決志向」、自分自身の考えや特性について理解と把握する傾向を表す「自己理解」、他者の心理を認知的に理解あるいは受容しようとする「他者心理の理解」という3つの要素が含まれる。

「保健と健康の心理学」 p.122 l.16-21

結論は、この部分です。

問題解決志向」「自己理解」「他者心理の理解」を高める事によって心的外傷体験を克服することができます。

それでは、レジリエンスとは、何でしょうか。

レジリエンスとは、心理的な傷つきや落ち込みから立ち直る回復力のことである。

「保健と健康の心理学」p.122 l.9

つまり、先の3つの要素を上げることで、心的外傷体験からの回復力を上げることができる、という意味ですね。

さらに注目すると「獲得的」レジリエンスとなっています。

レジリエンスには、2種類あります。

それは、先天的なものと後天的なものです。

今回の引用部分は、後天的な部分だけを抜き出した形になります。

例え辛いことがあっても、解決方法を探し、自分の事を理解し、他人のことを理解しようとすれば、乗りこえられると書いてあります。

2-2.睡眠の質を上げるには

次に紹介する部分は、睡眠の質に関する部分です。

皆さんは「一日8時間眠ると良い」などと聞いたことは、ありませんか?

これは、睡眠の量に注目した発想です。

量ではなく質に着目した本書では、次のように書かれています。

睡眠と覚醒の習慣を規則的にすることの大切さを伝えていくことが重要であると考える。

「保健と健康の心理学」p.150 l.18-19

量に着目してしまうと、例えば平日に眠れなかった分を週末に寝るような事が起こります。

この本では、この「寝だめ」を危険視しています。

ここの引用にあるとおり、十分な睡眠を毎日規則的にとる事が重要であるようです。

2-3.幸福度を上げる日記の書き方

最後に紹介する部分は、幸福度を上げることが実証されている日記の書き方です。

3つの良いこと:その日に生じた3つの良いこととその原因を記載し、さらになぜそれが起こったのかの理由を説明する

「保健と健康の心理学」p.228 l.25-27

3つの良いこと介入や新たな強み使用介入では、1ヶ月後から幸福感の上昇が見られ、特に良いこと介入では、3ヶ月、6ヶ月と効果の上昇が確認された。

「保健と健康の心理学」p.229 l.3-5

これを行う事で、1カ月後からの幸福度を上げることができるそうです。

私も始めてみてまだ4日目ですが、確かに良い確認作業にはなります。

これから続けて行って、その効果を実感したいと思います。

ちなみに引用にある「新たな強み介入」でも効果はありますが、自分の強みを把握するために有料の検査を受ける必要がある為、割愛しました。

3.まとめ

さて今回は、健康に直接つながりそうな情報を纏めてみました。

特に日記は、始めやすくて効果も実証されているので、皆さんもやってみて下さいね。

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