目次
1.著者情報と本の概要
まずこの本の著者は、ケヴィン・シルバーさんです。
著者に関する情報は、本に記載がありませんでした。
この著者の本に本書以外に邦訳されている本は、ない様子です。
この本は、題名の通り心理学に関する神経・生理を説明する本です。
神経・生理の分野は、脳がどうとか神経が何とか、ややこしい説明が多いです。
しかし本書は、読みやすく工夫されていたためとても読みやすかったです。
2-1.なぜお腹が空くのか
見出しの問題について、はっきりとした結論は、出ていません。
その上で本書では、通常の状態を説明しています。
私なりに言葉を変えて言い直すと、脂肪を燃焼させるには、空腹に耐えるしかないというような事が書かれています。
私はダイエット中なので、空腹のメカニズムを知れば何かわかる事があるかもしれないと思っていました。
わかったことは、空腹を感じてから脂肪を燃焼させ始めるので、空腹を耐えきれずに物を食べれば痩せないということでした。
現実は厳しいですね。
2-2.統合失調症について
本書は、精神病を扱った本でもあるので、代表例として「うつ」と「統合失調症」が使われています。
今回は、私と関係が深い「統合失調症」についてまとめたいと思います。
統合失調症は、脳内でドーパミンが異常に多く出てしまう事が、原因で起こる病気だとされています。
原因をそれだけに特定できる訳ではありませんが、概ねその理解で良いようです。
ドーパミン以外の原因として、遺伝とストレスが挙げられてます。
統合失調症では、薬物治療をする事である程度回復する事が出来ます。
しかし使っていた薬物を中断すると、一気に悪化して再発することで知られています。
その原因についての記述が本書にありました。
専門用語では、身体的依存性と呼ばれる依存状態になってしまっていることが原因であるようでした。
身体が、その薬物があることに慣れてしまって、なくなったときに反動で全く逆の反応を示してしまう、ということらしいです。
最後に、統合失調症の薬物療法の制約として、副作用が挙げられています。
最も恐れられるべき副作用は、遅発性ジスキネジアです。
持続性の顔面筋肉や舌の不随意運動を併発します。
遅発性ジスキネジアは、長期的に薬物を取り続ける事で発症します。
しかしこの副作用が起こるメカニズムは、まだ解明されていません。
何故ならドーパミンの過多が原因で起こる遅発性ジスキネジアが、ドーパミンを減らす薬の副作用として発生するからです。
一番支持されている説明は、薬によりドーパミンが減ったのはよいけれど、受容体の方が敏感になってしまってドーパミンを過多に取ってしまうから、という説明です。
3.まとめ
「心の神経生理学入門」は、心理学の勉強にも勿論なりましたが、私の個人的な興味を指摘してくれる記述も多くありました。
神経生理の分野の本としては、かなり読みやすい本であると思います。
興味のある方は、手に取ってみて下さいね。