若い友人を作るためにはーーー
本日紹介する本は、新書の「広く弱くつながって生きる」です。
図書館で特集コーナーが組まれており、目に留まったため借りてみました。
日本は「ムラ社会」と呼ばれており、狭くて強いつながりが重視されてきました。
そのつながりが壊されて、広く弱くつながることができるようになった現代を描きます。
広く弱くつながることができるようになった理由の一つが、インターネットやSNSの発達です。
著者はFaceBookが好きなようで、本書で何度もおすすめされます。
私自身としては、FaceBookも行っていますが、使う人が減ってしまったのであまりメリットを感じていません。
ただ、サークルなどに参加して他人とつながる第一歩にすることには、使いやすいのかなと思いました。
広く弱いつながりを作るためには、まずは社会活動に参加することだとこの本には書かれています。
ボランティアやNPO法人の活動に参加することで知らなかった人たちとつながることができるそうです。
そして出会ったらお話をしてみる。できたらSNSの情報を交換する。そうすることで弱いつながりができます。
現代では副業などもできるようになってきたので弱いつながりを作ることが前よりも簡単になったそうです。
「何をもって「友達」とするか」という興味深いテーマもありました。
著者の定義は「利害関係のない人」とされています。
著者と同じ定義を挙げる人は、多いのではないでしょうか。かくいう私もそうです。
やはり友達となったら困っているときに手を差し伸べてくれる人をイメージします。
そのときに損得勘定で来られたら、引いてしまいますよね。
そして社会活動で出会った人と友達になるためのアドバイスとして挙げられていることは、「笑顔」「好奇心」「謙虚さ」になります。
最後に「謙虚さ」が挙げられている理由はこの本の対象者は年齢が高めの会社員だと思われます。
若い方と積極的につながるべきだとされています。
年齢を超えて友達をたくさん広く弱く作るのですね。
このアドバイスは年齢層に限らず、友達をつくりたい人たちには皆当てはまるのではないでしょうか。
また、近年「いろいろな仕事をして食べているため、一言では説明できない人」が増えているとされています。
少しずつ、そういう働き方が普通に、当たり前になっているそうです。
そういう生き方ができるようになる方法については、「知りあいから何かを頼まれたら、ちょっとやってみる。できそうだと感じたら、少し追求してみる。その繰り返しでいろいろな仕事を手がけられるようになる」と書かれていました。
確かに、同じ会社にしがみついていることはリスキーな時代になりました。
以前読んだ「転職の思考法」で書かれていた通りですね。
40歳以降のセカンドキャリアでは「小さな仕事たくさん積み上げる」働き方を推奨しています。
「クラウドワークス」「ランサーズ」などのサイトを使えば、「こんなことが仕事になるのか」というような発見があるそうです。
1件3万円の仕事を10件行い、月30万円を実現する。そのような働き方が推奨されています。
著者の趣味は登山です。それに例えて、「人生は偽ピークの連続である」としています。
偽ピークとは「目前の頂上を目指して頑張る」けれど、実は「到着するとそこは頂上の手前にあった峰で、本当の頂上はずっと先」であることを言います。
私もこれはかなり共感できるところがあります。
受験や就職、結婚などで似たような経験をした方は多いのではないでしょうか。
最後に心に残った項目は「長くつきあえる若い友人を作る」という項目でした。
70代に突入すると、周りの同年代の友達がいなくなっていきます。それが負担になるのです。
若い友人の作り方は上記の通り、社会活動に参加してつながることです。
今こそ私には若いエネルギッシュな友達が必要なのかもしれません。
…私もまだ若い方ですが。
若い友人を作るためには、社会活動に参加することです。そして「笑顔」で「好奇心」を持ってこちらから話しかけ、「謙虚さ」を忘れないこと。仕事はいろいろな仕事をしてみること。それがこれからの社会を生きて行く上で、小さなセーフティネットの作り方として重要なのかもしれませんね。
紹介した本
タイトル:広く弱くつながって生きる
著者:佐々木俊尚
出版社:幻冬舎
定価:780円