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「月と詐欺師」詐欺と小説は相性抜群

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詐欺の鮮やかな手口に魅せられた方に。また、超が付くほど徹底した悪役をとっちめたい方に。美しい日本語で正義を行う小説です。

1.著者情報と本の概要

月と詐欺師」の著者は「赤井三尋」さんです。私は図書館の本だなで初めて知った本と作家さんでした。1995年、大阪生まれです。早稲田大学政治経済学部卒業後、ニッポン放送に入社、2010年現在でフジテレビに勤務されています。

小説の内容を紹介します。人知れぬ寺で修業を重ねていた鑑浄(俗名:瀬戸俊介)は家族が陥れられたことを知ります。その原因を作った財閥当主の灘尾儀一郎に復讐を誓います。

復讐のために鑑浄は寺を出て還俗します。そして大阪に帰ります。

大阪に帰ると春日という男と出会います。この男は春日モーター商会の社長であると共に、裏の仕事をしているのでした……。

2.感想

小説の題名からして詐欺師が出て来る事は分かると思います。この小説は悪役を詐欺師がやっつける話になります。元々詐欺という犯罪に興味があった私には楽しく読む事が出来ました。

この小説を読んでいて感じたことは、詐欺という題材と小説という媒体はとても相性が良かったということです。それはそうですよね。どちらも言葉を使ったものですから。

お話の展開としては途中から詐欺の作戦が順調過ぎて少し退屈になります。しかし作戦決行の日になると、完璧に思えた詐欺師グループがミスを犯し始めます。するとハラハラして頁を次々と捲っていくことができます。

3.まとめ

この小説は364頁の二段組と、長い小説となっています。確かに後半に差し掛かるまでは多少退屈な面もあります。しかし主人公達が描く詐欺という犯罪の中にも何か情のようなものが感じられます。読後にすっきり感を求めたい方にもおすすめの一冊です。

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