本日紹介する小説は「露八史観 大江戸ひっくり返史」です。
とにかく小説を読みたいと図書館に行って、棚の端から取った本でした。
歴史小説で、赤穂浪士の話や坂本龍馬の暗殺事件などについて、普通とは違った見方で展開していきます。
歴史小説は２，３冊目ですが、やはり難しかったです。私が知らないネタの章は、正直読みにくかったです。
勿論、多少解説は付いていますが、ほんの少しです。読む事はできましたが、途中で飽きました。
しかし自分が知っている事件の話になると途端に面白くなりました。歴史、特に江戸時代付近に詳しい方なら、きっと楽しめると思います。
特に最後の章の「今井信郎」はとても面白かったです。これは坂本龍馬暗殺事件を題材にした章なのですが、私は漫画「銀魂」で今井の事を知っていたのです。
他に出てくる登場人物も他の章に比べて有名人が多く、西郷隆盛説なども飛び出して、ドキドキさせられました。
また、資料を参考にして作られているお話らしく、途中で著者が出てくる場面もあります。「そのような書き方があるのか！」と衝撃を受けました。
歌舞伎や能で使われる題材をテーマにした章も多かったので、それらが好きな人も楽しんで読めるかと思います。
ただ、小説の中で語られる主人公よりも真実に近い姿は、少々そっけなかったりもします。次郎長の章などはファンにとっては辛いかもしれません。
でもこれもまた小説だと思って読めば、楽しいこと請け合いですね。
読書メーターでは登録者数がやたらと少なく、人気がない本のようですが、歴史小説を読んだことがない人には読みやすいのではないでしょうか。
自分が知っている事件の章だけ読んでも良いですし、楽しみ方は沢山あると思いました。