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読書 哲学する赤ちゃん

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1.著者情報と本の概要

本日紹介する本は「哲学する赤ちゃん」です。

この本の著者は「アリソン・ゴプニック」さんです。

著者は、カリフォルニア大学バークレー校心理学教授・哲学客員教授です。

この本の中でも何度か「バークレー」という言葉が出てきますが、著者が勤める大学の事です。

著者は、心理学哲学の領域に子どもの影響を唱えた第一人者です。

心理学や哲学は、今まで子どもを未熟な者としてしか扱って来ませんでした。

しかし最近の発達した研究により、子どもも素晴らしい共感能力を持っている事が、分かって来たのです。

その子どもの分析が載っている本が、本書「哲学する赤ちゃん」です。

「赤ちゃん」を「3歳未満の子ども」と定義した上で、様々な赤ちゃんの能力が展開されていきます。

お子さんが居る、或いはこれから育てたいと思っている方々に、ちょうどよい一冊かと思います。

2-1.空想の友達を覚えているか

興味深いのは、約半数は幼児期の空想の友達を覚えていて、その特徴もいくらか答えられたことです。(中略)ところが小説家は違うらしく幼児期の空想の一部を後々まで心にとどめている人が多いようです。

「哲学する赤ちゃん」p.93 l.7-11

まず引っかかった部分は、空想の友達についての部分です。

5歳程度までの子どもは、多くが空想の友達を持っています。

勿論、全員ではなくて、空想の友達がいない子どももいます

空想の友達がいても、いなくても、発育に影響はありません

通常は、高校生くらいになると忘れてしまうようです。

さて、その空想の友達ですが、皆さんは覚えていますか?

私は、はっきりと覚えています

この空想の友達を覚えている人が多い職業が、小説家だったのです。

私は、小説家に憧れを持っています。

最近は、執筆活動をしていませんが、きっと小説を書きたいと思っています。

その為に気になった部分でしたし、自分が該当していて嬉しかったです。

2-2.親が子どもに出来る事

はかなく無常な人生ですが、親であるわたしたちは、少なくとも自分の子どもに幸せな子ども時代をプレゼントすることはできます。

「哲学する赤ちゃん」p.285 l.4-5

次に気になった部分は、この部分です。

私は、まだ親ではありませんが、親の役割について書かれています。

親が赤ちゃんに与える影響は、計り知れません。

赤ちゃんの時の記憶が、その後の人生に大きく影響します。

勿論、例え本物の親から酷い目に遭って、里親に預けられて正常な発育をする子どももいます。

しかしその根底にある辛い記憶を忘れることはありません。

子ども時代の想い出、私自身は良い事ばかりでもないですが、それでも幸せでした。

この幸せな記憶を自分の子どもにプレゼントすることが、親の使命であり、子どもにしてあげられることなのだと書かれています。

2-3.愛を赤ちゃんに学ぶ

わたしたちは、愛する子だから世話をするのではなくて、自分が世話をしている子どもを愛するのです。

「哲学する赤ちゃん」p.345 l.12-13

赤ちゃんから学べることは、沢山この本に書かれています。

その中で特に重要と思われる部分が、引用の箇所です。

自分の子どもは、特別に可愛いと言いますね。

それは「自分の子どもだから」ではなくて「世話をしている子どもだから」なのです。

しかし「世話をした子どもに愛着が湧くなら、他人を世話すれば他人に愛着が湧くのか」というとそう簡単でもありません。

赤ちゃんに対して私たちは「give and give」で臨むのに対して、他人に対しては「give and take」で接するからです。

例えば、奥さんは旦那さんのことを世話していますが、旦那さんが全く家事を手伝わなければ、怒り出すでしょう。

全ての人に対して「give and give」で臨む事が、平和への一歩であり、このことは菩薩やイエスも説いています。

つまりそれだけ難しいことなのです。

3.まとめ

この本には、良好な人間関係を築く為の方法が、色んな形に変えて書かれています。

平和を目指すことは、大変ですが、まずは自分の身の回りの関係から良くしていきたいと思いました。

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