三題噺

三題噺 プロポーズ

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水が流れる音だけがする河川敷。そこに私と彼は座っていた。水の音以外に音は無かった。ただただ水の方を眺めながら二人で座っていた。暗がりに目が慣れたとはいえ、私達の他に生物を確認することはできなかった。

彼が口を開いた。

「あのさ…今は金がないし、してやれることも殆どないけど、でももしこの宝くじが当たったら…俺たち結婚しないか?」

私は彼の手元を見る。暗がりに慣れた目は小さな紙きれを映し出した。

「宝くじって…そのビンゴ宝くじのこと?」

「うん、駄目かな?」

私は小さく笑って応えた。

「駄目じゃないけど、それって当選額がすごく少ないよね?」

「うん、やっぱり駄目か」

私は彼の顔に自分の顔を近づけた。

「駄目じゃないって。お金のことなどどうにでもなるよ。…結婚しよう」

それを聞くと彼はにっこり笑って私の唇にキスをした。初めての甘く重いフレンチキスだった。

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本日の三題噺でした。今回のお題は「ビンゴ」「河川敷」「フレンチキス」です。フレンチキスとは何ぞや?ということで調べると、舌を絡める方式のキスのことだとか。これをフレンチキスと呼ぶとはさすがフランスですね。

読み返すと会話が多い文章になってしまいました。地の文だけで終わる作品もあるのに対して、面白いですね。

一昨日このブログで初めてゼロビューの日を作ってしまいました。ところが昨日や今日はアクセスをいただいてありがとうございます。これからもう少し三題噺で様子を見たいと思います。

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