本日は、ニカラグアに住む友人からテーマをいただきました。
「日本では、自殺が多いと聞くけれど、本当なの?」
今日はこの疑問を世界保健機関のデータを用いて解消してみたいと思います。
目次
1.本当に日本の自殺率は高いのか?
まず「本当に日本の自殺率は高いのか?」を確認する必要があります。
全ての国を比較すると大変なので、サクッとググって見つけた「世界自殺率ランキング」の上位国のデータを世界保健機関のサイトで抽出してみます。
世界保健機関のサイトで見つからない国もありましたので、下記データに含まれている国は「リトアニア」「韓国」「カザフスタン」「スロベニア」「ハンガリー」「クロアチア」「スリランカ」「ラトビア」「ベラルーシ」「ウクライナ」「日本」「ニカラグア」です。
ちょっと見づらいのですが、確かに日本を含めて自殺率上位国の自殺率は高いのですが、全体として減少傾向にあることが認められます。
とはいっても、友人が住むニカラグアに比べれば、他の国々の自殺率はぐっと高くなっています。
友人が日本の自殺率の高さに驚くことは、当然のことですね。
しかし日本よりも自殺率が高い韓国や東ヨーロッパの国々があることもまた、事実です。
日本独自の問題というよりは、世界的な問題と言えるでしょう。
2.日本の自殺率の推移
次に、このデータから日本のみを取り出して細かく分析してみます。
日本の自殺率の推移は、以下の折れ線グラフの通りです。
このデータをみて、私はとても驚きました。
日本の自殺率は、昔から高い位置を推移していると思っていたからです。
確かに、私は1993年生まれなので、物心がつく5歳頃には、自殺率が跳ね上がっています。
しかしそれより前には、自殺率が低い時代があったのです。
3.日本の自殺率とその年のニュース
さて、キーとなる年のニュースを振り返りながら進めて行きましょう。
最初に自殺率が下がり始めた1987年は、地価が高騰始めた年でした。
つまりはバブルが始まった年です。
この年から徐々に自殺率が減って行きます。
一転、自殺率が一気に跳ね上がる年が、1998年です。
この年のニュースとして大きく取り上げられたことは、完全失業率過去最悪のニュースでした。
バブルが崩壊して、一気に景気が悪くなったのですね。
それから2012年に再び自殺率は、下降して最新データまで下降を続けています。
2012年は、東日本大震災から1年が経った年でした。
経済は、悪化のデータが残っていますが、安倍政権が誕生した年でもあります。
4.自殺率と経済の関係
さて、日本の自殺率とその年のニュースを合わせてみてみると、経済と自殺率が大きく関連していることが分かって来ました。
景気が良いと自殺率は下がり、景気が悪いと自殺率が上がる、こういう動きを見て取ることができます。
2012年からの自殺率が低下している理由も、安倍首相の経済対策(アベノミクス)が成功した結果と考えることもできます。
アベノミクスが成功したかどうかは、議論の余地があるところですが、ここではおいておきます。
5.まとめ
経済が自殺率に影響しているという事実は、わりと分かりやすい事実です。
予想できる答えでしたが、こうしてはっきりとデータで出るとは、思いませんでした。
物質的には、豊かであるのに、お金という紙きれに自らの命を左右される日本人が多いという事実を、しっかり胸に刻んでおきたい、そのように考えさせられる答えでした。