今回紹介する本は「SDGsが地方を救う」という本です。
目次
1.本の概要と著者情報
この本は、国際的な目標であるSDGsが、日本の地方創生につながるのではないかという本です。
この本は、対談形式で書かれています。
一人目の著者は、元環境省大臣官房政策立案総括審議官でいらした「米谷仁」さんです。
元お役人さんらしく、事例を専門用語に変換してくださいます。
そしてもう一人の主役が、テクノシステム代表取締役の「生田尚之」さんです。
基本的には、生田さんが事業の内容を話していって、それを米谷さんが解説する流れになっています。
テクノシステムという会社を私はこの本で初めて知りました。
神奈川県の横浜から始まった会社であるようで、水や食などの問題をポンプ技術を活かして解決していきます。
今回のまとめでは、そこまで深くは触れられないので、このあたりが気になる方は、ぜひ読んでみてくださいね。
2.SDGsとは
では、早速中身に入っていきましょう。
本の題名にも入っている「SDGs」とは何かという定義について、まずは引用してみてみましょう。
Sustainable Development Goals(サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ)=持続可能な開発目標。発音は「エス・ディー・ジーズ」。2015年9月、ニューヨークの国連サミットで採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」。
「SDGsが地方を救う」p.15 ll.2-6
難しい定義がつらつらと書いてありますが、要するに地球で人間が生活を続けていくことを考えた、国際的な目標ということです。
もちろん、環境面の目標も多くありますが、例えば福祉や教育の分野も含まれています。
日本は、水も福祉も教育も豊富なので、実感がないかもしれません。
しかし、途上国では、比較的きれいな水を手に入れるために何時間も歩き、そのため学校に通えない子どもが多くいます。
そのような地球規模で人間が人間らしく暮らしていくことを考えた目標が、持続可能な開発目標(=SDGs)なのです。
3.SDGsの起源
では、そもそもなぜSDGsが作られたのか。
SDGsは、アメリカのニューヨーク発の発想ですが、実はリーマンショックがきっかけでした。
「目先の利益ばかりを求めた結果が、2009年のリーマンショックだった。それを猛省し、30年後、50年後を見据えて、長期的に追求しなければいけないものはなんだろう。そんな問題意識から、SDGsという発想が生まれたんです」
「SDGsが地方を救う」 p.108 ll.10-13
長期的にものを見据えることは、大変難しいことです。
このきっかけを読んでいると、何だかその難しさをひしひしと感じてしまいます。
自分ひとりのイメージでさえ、30年後、50年後はおろか、1年後でも想像することが難しいと思います。
ましてや日本は豊かな国ですから、途上国まで範囲を広げることは、とても難しいことだと思います。
でもSDGsの目標に、少しでも前進できたら、30年後に素敵な世界になっているかもしれませんね。
4.人が生きていくのに必要なもの
さて、この記事の最後の項では、著者が考えた「人が生きていくのに必要なもの」を紹介しましょう。
4つあればいい。「食」と「職」、そして「人と人の温かいつながり」。あとは「健康・安全」です。
「SDGsが地方を救う」 p.117 ll.9-10
「食」は、食べ物ですから、その通りですよね。
「職」も、人間は社会的動物ですから、その通りですね。
職を通して、他の人間に「ありがとう」と言われることで、私たちは嬉しさを感じることができる動物です。
「人と人との温かいつながり」も、職とつながるところがあるのではないでしょうか。
社会的動物であることを考えれば、職以外のご近所づきあいなども「ありがとう」の源泉になるでしょう。
そして最後の「健康・安全」も、人間らしく生きていくためには、必要なものでしょう。
どれも、豊かな日本には、ありふれたもののように見えます。
しかし途上国では、健康・安全ではなかったり、日本でも地域の人と人の温かいつながりは薄れているかもしれません。
この4つを中心に据えて、これからを考えていくことができれば、豊かさとはまた違った心の豊かさを手に入れることができるのかもしれませんね。
5.まとめ
今回は「SDGsが地方を救う」という本を紹介しました。
SDGsとは何か?
SDGsの起源は何か?
著者が考える、人が生きていくのに必要なものとは?
この3点についてまとめてみました。
テクノシステムさんについてあまり触れることができませんでしたが、素晴らしい理念を持った会社だと思います。
私は、テクノシステムさんの事例を読むことで、元気をもらえました。
気になった方は、手に取ってみて下さいね。