こんにちは。海野豹です。年間100冊を目指して読書記録をブログに書いています。ブログを始める前は年間50冊ペースで読んでいました。このブログの目標は、「毎日本を一度以上開くこと」と「毎日1行以上更新すること」です。応援コメントいただけると飛んで喜びます。
さて、本日紹介する本は「ひつじの王さま」というフランス発の絵本です。風に飛ばされてきた王冠を偶々被った羊のルイが王さまになる話です。様々な統治を行うルイですが、要求はエスカレートします。最後には人種差別を行ったところ、また風で王冠が飛ばされてしまい、普通の羊に戻ります。
ところがここで終わらない所がこの絵本の良いところです。次に王冠を拾ったのは狼でした。ひつじの国に向かってきます。絵本はここで途切れてしまいますが、この先を自ら考える事が出来る所が素晴らしい点だと思いました。
私の想像だと、狼が羊の国にやって来たら、全ての羊は狼に食べられてしまうのではないかと思います。これは何を意味するのでしょうか。虐殺でしょうか。とにかく羊達やルイにあまり良い未来は期待できそうにありません。
この絵本を読んで、子供たちの想像力で未来の話を創造してもらったら、きっと楽しいと思います。また、絵本の最後には訳者から子どもへのメッセージや教授の親御さんへのメッセージが書かれています。細かい文字になるので敬遠しがちかと思いますが、ここを読むと日本の社会にも話が広がり、絵本に奥行きが出てよい効果を与えています。
お子さんと一緒に時間があるときにゆっくり読みたい絵本でした。
紹介した本
タイトル:ひつじの王さま
作:オリヴィエ・タレック 訳:あさのあつこ
出版社:くもん出版
定価:1500円