私は思った。ひょっとしてケンタッキーは安いのではなかろうかと。
幼い頃からあまり裕福ではない家庭で育った私。そうでなくても皆さまケンタッキーはお高いと思っているのではないでしょうか?もちろん、私も高いと思います。年々値上げもされていますし。
しかし他店の外食と値段をきちんと比較すると、安いと感じてしまう自分に気が付きました。比較対象はケンタッキーのランチバリュー、ランチCのオリジナルチキンセットで、そのお値段は680円です。オリジナルチキン2つとドリンクM、カーネルリングポテトのセットです。
例えばマクドナルド。バリューランチのてりやきマックバーガーの場合、てりやきマックバーガーとポテトMにドリンクMでセットで550円です。マクドナルドの場合どのドリンクにするか、サイドメニューにするか、サイドメニューをつけないのか、など選択肢が広いことが特徴で、それによって値段が上下します。今回は基本型で550円です。
マクドナルドと言えば安くて早いが売りですよね。しかし以前のような激安感はなくなり、お値段がお高くなってきた感じがします。大学の授業でも、マックの100円マック戦略は失敗だったと習いました。ちなみに多くの駅付近でマクドナルドとケンタッキーは共存関係にあります。近場にあって、顧客をうまくすみわけしているのですね。
マクドナルドの価格550円に対してケンタッキーは680円。差し引き130円のプラスです。しかし提供されるものを比較してみると、130円プラスしてケンタッキーにしたい…私はそう考えてしまいます。以前はケンタッキーのポテトがボテボテしていて嫌いでした。しかしカーネルリングになってからかなりおいしくなったと思います。
この比較にはマクドナルドの戦略ミスが響いていると考えられます。私はマクドナルドのバーガーを食べる際に「値上げされたものを食べる」感覚に陥っているのではないかと考えます。以前はもっと安く食べられた(=安い価値)のものに高いお金を払っていると無意識に感じている訳です。
それに対してケンタッキーはもともと高い価値のものを安い価格で食べられる、と感じているのではないでしょうか。だからケンタッキーの方が価値と比較して安く感じる、というわけです。
この考え方には大学で勉強した「経済学」の考え方が影響していると思われます。通常高い安いといえば単純な価格を比較して、550<680でケンタッキーが高いとなります。しかし経済学の効用(満足度)の考え方を理解すると、この不等式は成り立たなくなります。ここで出てくる効用(満足度)は主観で大丈夫です。人によって異なる、ということです。
550円で得られる効用(満足度)が2だとします。680円で得られる効用(満足度)が4だとします。価格が1.2倍程度なのに対して、効用(満足度)は2倍になっています。1.2倍のお金で2倍の効用(満足度)が得られるのだとしたら、2倍の効用(満足度)が得られる商品(=ケンタッキー)の方が安いと感じませんか?
もちろん、「いや、私はケンタッキーが嫌いだから効用(満足度)は倍にならないよ」という人もいるでしょう。主観で良いとはそういうことです。異議なし!ケンタッキーが嫌いってあまり聞きませんが…
本当はもっと例を挙げてあの手この手でケンタッキーを売り込もうと思ったのですが、記事が思いのほか長くなってしまったのでこの辺で。今回は「効用」のお話でした。別に私はケンタッキーの回し者ではありませんよ。