それって とっても すてきなことーー
本日紹介する絵本は「アンナとわたりどり」です。
この絵本はニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞を受賞しています。
主人公はタイトルにある通り、アンナです。季節労働者として、わたりどりのように国境を越えて働きます。
元々はカナダの民族で、アメリカやメキシコに渡って働く労働者であるそうです。
現代の日本のように、同じところにずっととどまる生活にアンナは憧れています。
自分の自転車、ベッドがあることは、とってもすてきなことだとアンナは言います。
私たちの当たり前は世界の当たり前ではないのですね。
そのことに気づかされる良い絵本であると感じました。
本文には漢字が使われていません。お話の内容としても、幼いお子様に見せてあげて欲しいなと思います。
アンナの生活は現代の日本人からすると、可哀想な生活に見えます。
確かに、そのように描写しているところもありますが、アンナはアンナで幸せなのだということを、アンナ自身を動物に例えることで表現しています。
アンナのような人たちの現状を伝えつつ、間違った印象にならないように表現する感覚が絶妙だと言えます。
外国の世界を観た事がない幼い子には、難しいテーマかもしれません。しかしだからこそ、触れて欲しい。そう思います。
本日紹介した絵本
タイトル:アンナとわたりどり
文:マクシーン・トロティエ 絵:イザベル・アルスノー 訳:浜崎絵梨
出版社:西村書店
定価:1300円