目次
1.著者情報と本の概要
お久しぶりに本を読み終えましたので、紹介します。
今回の本は「イェール大学」の「シェリーケーガン」さんの講義を書籍化したものです。
題名の通り、重い主題の哲学書となっています。
この本は、英文で書かれた元の書籍があります。
私が読んだ本は、日本縮約版です。
割愛された部分は、ネットで無料公開されています。
また、完全版の書籍も販売されているようです。
2-1.魂はあるか
さて、最初の主題として挙げられているものは、見出しの魂の存在です。
私たちは常識的に魂があると思い込んでいる人も多いと思われます。
しかし、著者はばっさりと切り捨てます。
私たちに魂はなく、死んだら体が動かなくなり、土に還るだけだ、と。
その後の主題で、不死について論じる部分があります。
著者は、不死について否定的な立場を取ります。
不死は、永遠の時間を私たちに与える為に、苦痛になるという意見です。
受容される不死の考え方として、ある程度の人生を生きたら、記憶や体験がリセットされるような状態ならば、受け入れると述べました。
私は、この考え方はまるで今の人生のようだと思いました。
著者は、魂はないとしたけれど、あるとすれば、今まさに私は永遠を生きているのかもしれない、と考えることもできます。
記憶や体験をリセットする作業が、死であり、生まれ変わって永遠を生きているのではないか、そう私は考えました。
本書ではそこまでの言及はありませんでしたが。
2-2.もしあと半年の命だったら
本書は、死という主題を扱う本ですが、その本筋として、現在の生をよりよいものにするために、この主題を扱っているところがあります。
ここからは、より良い生を生きる為の助言を紹介します。
見出しの課題は「新版 死とどう向き合うか」でも与えれた課題です。
例えば自分が病気で、余命が半年だとわかったとして、誰にどのような手紙を書くかという課題です。
私がこの課題を行った時に、涙が出て来る場面がありました。
私は、心理学の知識を使って、困っている学生の手助けをしたいと考えています。
しかしその為には、大学に通い直す必要があります。
つまりあまり現実的な考えではないのです。
だから自分自身、あまり真剣に考えていない夢だと思っていました。
しかしこの課題に直面したときに、学生を助けることが不可能だと気づき、涙があふれたのです。
半年では、大学を卒業することすらできないのですから。
それから私は真剣に心理学を独学で勉強するようになりました。
勉強すればするほど、大学という恵まれた環境に行くことの必要性を感じますが、ともかく前進しています。
皆さんも、誰かに手紙をそっと書いてみてはいかがでしょうか。
2-3.寿命を削ってもやりたいこと
この本独自の考え方として、見出しの課題があります。
つまり、自らの寿命を削ってでもやりたいことが何かを考え、それを実行するべきだ、という指針です。
皆さんは毎日を生きる時に、特別意識することはないかもしれませんが、日常的にも寿命は着々と削られています。
例えば、癌があります。
現代医学では、早期発見で直りますが、癌の原因のひとつには太陽光も挙げられます。
だからといって太陽を浴びるなという訳ではありませんが、日常的に死に対する可能性は、存在しているのです。
一刻も早く寿命を削ってでも行いたいことを見つけて、それを実行する必要があるように思われます。
ちなみに、私はまだ見つかっていません。
明らかに寿命を削ってやりたいことではないものをずっと続けていました。
小説を書いたり、心理学の勉強をしたりしたいかな、と頭では思いつつも、行動に移せませんでした。
やりたいことが見つからない人は、多いと思います。
ひとつでも何か見つかると良いですね。
3.終わりに
さて、今回は「死とは何か」という本を紹介しました。
割と分厚くてお高い本ですが、恐らく図書館では予約殺到でしょう。
2週間で読み切ることも大変かと思います。
しかし深い考えを与えてくれる本でした。
皆さんも書店で見かけたら、手に取ってみて下さいね。