でっかくてつよーい父さんグマになりたいもんだなー。
このようなことを冬眠から覚めて考えるクマが主人公の絵本、「クマがふしぎにおもってたこと」を紹介します。
主人公のクマはお父さんになりたいと思いますが、どうやればお父さんになれるのかがさっぱりわかりません。
だから山の仲間に教えてもらいますが、何だか皆うそっぽいことを教えてくれます。言われた通りにしてみるクマですが、結局お父さんにはなれません。クマがお父さんになれる日は来るのでしょうか?ーーというストーリーです。
「あかちゃんはどこからくるの?」という、答えづらい子どもからの質問に少しクッションを置いて答えることができる絵本です。
絵本の中にはカササギに卵を産めばよいと教えられるシーンがあります。しかしクマは哺乳類なので卵を産むことができません。この描写が一つあるだけで、子どもに教えられることがまた一つ増えます。
また、コウノトリに教えられるシーンでは、案外現実的な答えが返ってきます。コウノトリが赤ちゃんを運んでくるという逸話を信じている子どもには衝撃的かもしれません。逆に、その逸話を知らない子どもには理解しづらいでしょう。
私はこの絵本のタイトルに惹かれて絵本を開きました。クマは一体何を不思議に思っていたのだろうか?という疑問からです。命に関するテーマは複雑で、説明を詳しくしようとするといくらでも長くできます。
しかしこの絵本はクマとその仲間たちのおかげでコミカルに、様々なテーマに触れることができています。子どもと読むのに良い一冊だと思いました。
本日紹介した絵本
タイトル:クマがふしぎにおもってたこと
作:ヴォルフ・エァルブルッフ 訳:上野陽子 今江祥智
出版社:ブックローン出版
定価:1400円